JR東日本は2023年3月18日(土)にダイヤ改正を実施し、東海道方面では夕方ラッシュ時間帯に特急「湘南」を増発するほか、夜時間帯に運転している「快速アクティー」の運転を取り止めます。
「湘南」運転開始が30分早く
東海道線の特急「湘南」は、前身となる「湘南ライナー」などの通勤ライナー列車を格上げするかたちで2021年3月に運転を開始しました。都心通勤者向けに全車指定席で平日朝および夕・夜時間帯に運転していますが、今回のダイヤ改正では夕方の下り列車が増発されます。
新しく設定されるのは、東京駅17:30発の「湘南1号」平塚駅行です。現行ダイヤでは東京駅発の「湘南」は18:00からの運転開始であるため、30分前倒しされ、21:00までは30分間隔で着席サービスが提供されます。これに伴い、現行の「湘南1〜17号」は号数が繰り下がり、「湘南3〜19号」に列車名が変更されます。
加えて、臨時列車として利用が多い日のみ運転する東京駅23:00発の「湘南19号」は、運転区間が短縮され、行先が小田原駅から平塚駅に変更となります。この時刻の「湘南」は運転開始当初、毎日運転する定期列車として設定されていましたが、2022年3月から臨時列車化されています(特急「湘南1号」の運転時刻、停車駅など詳細は下の図表を参照)。
「アクティー」最後の2本が消滅
東海道線では特急列車以外でも、夜の時間帯の輸送体系が見直されます。現行ダイヤで東京駅19:48発の快速アクティー小田原駅行は、上野駅始発・小田原駅行の普通列車へと置き換えられます。また、もう1本の快速アクティー、東京駅20:48発は運転取り止めとなります。
以前は日中時間帯を中心に多く運転されていた快速アクティーですが、2021年3月のダイヤ改正で大幅に本数が縮小され、上記2列車を残すのみとなっていました。今回の見直しにより種別廃止となり、東京駅を発着する東海道線快速列車は消滅します。
また、上野東京ライン直通運用が主体の現行ダイヤにおいて、2本のアクティーは希少な「東京駅始発」列車です。これらの見直しにより、東京駅を始発とする下り普通列車は早朝5・6時台と深夜23時台の一部列車のみとなります。特急列車や普通列車グリーン車を利用しない場合、同駅から座って帰宅できる可能性はかなり少なくなりそうです。
横浜エリアではそのほか、南武線支線で朝の通勤時間帯に、小田栄駅6:50発の尻手駅行電車が新設され、これまで開いていた前後の運転間隔が改善されます。横須賀線にはE217系車両の置き換え用として、新型車両E235系が追加投入されます。また、伊東線で一部列車が4両編成での運転に変更されるほか、各線区で列車の運転間隔・本数の見直し、乗換駅での接続時間改善などが実施されます。